住まいの中心
 江戸時代の家相見(かそうみ)は、家の中心を見つけて方位磁石を置き、細かな方位を確認し、どの方向にどんな部屋があるか見立てていました。南とか、北とか言っても家のかたちによって微妙に変わってしまうので、家の中心は家相にとって、とても大切なポイントでした。
 江戸時代の大きなお屋敷では、家のかたちも複雑だったので、中心を決めるのが大変でした。だから、なるべく四角い家を建てなさい、とも言われました。そして、四角い家の真ん中に格式の高い主人の部屋をつくり、そこを家の中心とすると良い家相になると、江戸時代の本には書いてあるのです。反対に家の中心に、階段や、池のある中庭をつくると、いつも踏みつけられていたり、湿気がたまる場所になるので、良くないと言われていました。
 みなさんの家の中心はどこでしょう。家族全員の集まってくつろぐ居間でしょうか。それとも会話のはずむダイニングキッチンでしょうか。現代では、家族みんなが集まる場所が中心といった考え方が多いようですね。みなさんも、自分の家の中心を探してみましょう。
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