建物の大きさをはかるために、いろいろなものさしが使われています。たとえば「建(けん)ぺい率」は、敷地の中で、建物が建っている部分が敷地のどのくらいの部分を占めるかを表すものです。つまり、建ぺい率が50%ということは、敷地の半分に建物が建っていることを示します。都市部では地域ごとにその上限が決められていて、建物を建てる場合に敷地にどれくらい余裕(隙間)を残さなければいけないかを示しているのです。 また、周辺の道路やお隣の建物の日当たりや風通しに大きな影響を与えないように、建物の各部分の高さを決める「斜線制限」や、建物の一番高い部分の高さを決める「高さ制限」など、建物の「高さ」を決めるルールもあります。更に、どれくらいのボリュームまで建物を建ててよいか(これを「容積率」といいます)を決めるルールもあります。 こうしたルールは、その地域に適した環境を保ったり、道路や上下水道などの公共の施設とのバランスを保つために決められています。建ぺい率の制限により敷地に余裕をつくることで、各家の風通しや日差し、お互いのプライバシーを確保するといったことに役立ちます。また、高さのルールは、一般的に各家に一定の時間、日差しが入るようにしたり、建物による圧迫感を少なくしたりする効果があります。たとえば、低い家を建てる地域と決められたところでは、建ぺい率、容積率、高さ制限が厳しく決められているので、商業地域などよりは、空が広く、比較的緑が多いまち並が保たれるのです。
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