建物には、いろいろな使い方があります。住まいは、人が日々の生活を営むための、いちばん基本となる場所です。商店は、人の暮らしに必要なものを売る場所で、たくさんの人が利用します。工場は、いろいろなものを生産する場所で、燃料や水を大量に使ったり、大きな音をたてたり、危険なものを扱うところもあります。 いろいろな使い方の違う建物を、ゴチャゴチャに混ぜて建ててしまうと、落ち着いた生活や、活発な経済活動がやりにくくなります。そこで、地域ごとに、建物の使い方や大きさを決めたルールがあるのです。そのルールを「用途地域(ようとちいき)」とよび、大きく住居系、商業系、工業系の3つに分類されています。例えば、住居系では、背の低い住宅を中心に建てられる低層住居専用地域、マンションなどの背の高い住宅が建てられる中高層住居専用地域などがあり、建ててもよい住まいが限られます。また商業系の商業地域には、飲食店やオフィス、劇場などの大きな商業施設が建てられます。工業系の工業専用地域では、住宅や商店などは建てられません。とはいえ、住居と店舗があわさった建物や危険性の少ない工場など、用途の近い建物が混在する地域もあります。建物の使い方によって、大まかに建てられる地域を分け、環境を守ったり、地域の発展を促しています。
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