世界に広がる「セーフコミュニティ」
 みなさんは生活するのに大切なことって、何だと思いますか。住む場所や時代が違っていても、基本となるのは、一人ひとりの健康と安全です。健康だからこそやりたいことができるし、安全だからこそ自由にいろいろなことができるのです。このような健康や安全を保つためには、個人的な努力も必要ですが、同じまちや地域に住む人たちが協力して問題を解決することも重要なことです。
 こんな考え方を基に、地域の人が協力して事故の予防活動を実際に行う地域を「セーフコミュニティ」といいます。セーフ(safe)は安全、コミュニティ(community)共同体という意味ですが、世界各国では、今、この「セーフコミュニティ」という取り組みが広がっています。
 地球規模で保健衛生問題に取り組んでいる国連の専門機関WHO*(世界保健機関)では、人びとの健康に悪い影響を及ぼす「事故」を、もっとも重要な課題としています。そして、身近な地域の人たちが協力して事故を防ぐ「セーフコミュニティ」に取り組んでいる都市やまちを認証する制度をつくりました。
 現在、セーフコミュニティの発祥の地であるスウェーデンを始め、オーストラリア、タイ、カナダ、フランス、デンマーク、ノルウェー、イギリス、アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド、オランダ、台湾、韓国などの国の都市で、合計100以上の「セーフコミュニティ」を認証しています。
* WHO(世界保健機構)は1961年に、人々が生活するまちが安全で、便利で、快適で、それがいつまでの続くような仕組みをもつことを提案しました。この考え方は日本の住宅政策にも大きな影響を与えています。


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