住まいのなかで起こる事故
 住まいのなかでは、具体的にどんな事故が起きているのでしょうか。
 たとえば、階段などの段差のあるところで足を滑らせて落ちてしまったり、何かの拍子に棚の上にのせておいたものが落ちて人にぶつかったりする事故があります。足を滑らせた場合、けがは捻挫(ねんざ)程度の軽いものから、骨折などの重いものまであります。上から何か落ちてきた場合には、たんこぶ程度ですむものもあれば、打ちどころが悪くて死につながるものまでさまざまです。
 また、壁にぶつかったり、ドアに挟まれたりする事故もよくみられます。ただ最近は、住まいの窓ガラスが重く大型化しており、簡単に割れることはありませんが、万一ぶつかって壊れるような事故になった場合、大きなけがになってしまうようです。
 住まいには、生活に欠かせない電気やガス、水道などが備わっていますが、これらが事故の原因になることもあります。濡れた手でコンセントを触り感電したり、コンロの火に誤って近づき火傷(やけど)をするような事故もよくおきます。赤ちゃんはなにが危険かわからないので、まわりのみんなが注意してあげましょう。
 こうしたなかで、最近多くなっているのは、お年寄りが浴槽で溺れてしまう事故です。これは、昔よりもお年寄りだけで暮らす家が多くなり、見守る人が少なくなってしまったことと関係があるようです。反対に減ってきている事故はガス中毒です。これは中毒事故のことが一般に知られ、防止のために知識がいきわたるとともに、有毒ガスを含まない天然ガスへの切り替えや、ガス漏れを防ぐ安全な機器の普及が、事故の減少につながっているからと思われます。

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