人と人をつなぐ緑
 都会では少なくなってきましたが、田んぼや畑などの農地もまちの貴重な緑です。少し郊外にでれば、まだまだ農地を見ることができます。農業をする人が少なくなってきていることも農地が減る原因のひとつです。そこで、耕作する人がいなくなった農地を、町や市などの自治体が市民に開放したり、農家の方の土地を希望する市民に貸したりすることが増えてきています。畑はひと家族が管理できる程度の大きさに区切り、借りた市民が家から通って、思い思いに野菜を育てるのです。こんな農地は「市民農園」とよばれています。ヨーロッパではずいぶん古くから行われ、自分で食べる野菜を自分でつくり、都会にいても土に親しんだ生活を営んでいました。農業をしたことがなくても、周りの畑の人に聞いたり、農家の人に聞くことができるので、安心して始められます。
 また、農地を分けず、参加者全員で作物をつくる農園も増えてきています。こうした農園では、野菜づくりを互いに教えあったり、できた野菜をみんなで分け合ったりするので、仲間の輪がどんどん広がっていきます。畑の緑は、周りの景色に潤いを与えるだけではなく、人と人を結びつけ、生活そのものに潤いと充実感を与えるのです。

「道の緑」「公園の緑」「人と人をつなぐ緑」