飾りつけが違うリビングルームとファミリールーム
 西洋の住まいの流れをくむアメリカの一般住宅では、玄関の扉を開けると、すぐにリビングルームになります。扉を開けたとたんに目にするこの部屋は、いつお客さまが来てもいいように、センスのよい家具やインテリア小物によって美しく飾られています。これらの飾りや飾り方は単なる装飾の意味だけではなく、その家の主婦の趣味や、家の知性をも表しているといわれています。
 では、日常の生活はどこで行われるのでしょうか。それは、リビングルームの奥のファミリールームです。ここには、テレビがあり、子どもの遊び道具があるなど、気軽に楽しく子育てができる部屋なのです。少しくらい汚れたり、疵(きず)がついても気にならない丈夫な家具を置き、伸び伸びと子育てができる部屋です。
 1800年代中ごろのアメリカでは、住まいにフォーマルな部屋※1と、インフォーマルな部屋※2をつくって、使い分けるようになりました。リビングルームとファミリールームの雰囲気の違いは、部屋の飾りつけ方の違いからきているといえましょう。
※1フォーマル:お客さまなど公(おおやけ)の場で用いる 
※2インフォーマル:家族などの私的な場で用いる

「美しい飾りつけの和洋」「お正月の床の間飾り」
「飾りつけが違うリビングルームとファミリールーム」