お正月の床の間飾り
  みなさんは床の間を見たことがありますか。日本の住まいに和室が少なくなっているので、あまり見る機会がないかも知れません。しかし、古い住まいや和風の旅館などには、必ずある場所で、日本の住文化を特徴づける大切な役割を果たしています。
 特に一年の区切りとして、国民的な行事となっているお正月では、床の間の飾りつけには特別な意味があります。三方という台にのせた鏡餅は、五穀豊饒(ごこくほうじょう)を祈る年神さまを意味し、床の真ん中に置きました。掛け軸の絵柄も、朝日の昇るところや富士山、鶴亀を描いたものなどを用い、年の初めのおめでたい気持ちを表わしました。このような特別な日は、同じ大きさの掛け軸を2つ、「シンメトリー」に飾り、ふだんの日との違いを際立たせています。
 同じ場所でも、飾るものや飾り方によって、日常と違う雰囲気をつくることができるのも、和の生活文化の特徴です。
※五穀豊穣(ごごくほうじょう):お米などの農作物が豊かに実ること

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