年をとってからの暮らしと環境
 年をとると、からだが少しずつ衰え、心の病にもかかりやすくなる傾向があります。そんな中で、できるだけ元気に年をとろうとしたら、何に気をつければよいのでしょうか。
 お年寄りには、長年なじんできた環境や自分なりの生活スタイルがあります。その環境や生活を大きく変えることなく、自分らしい暮らしを続けていくことが、いちばんの元気の素なのです。住み慣れた家に暮らし、見慣れた風景を眺め、通い慣れた道を歩き、なじみのお店で買い物をしたり、近所の人と何げないおしゃべりをしたり、気の合う友人たちと趣味を楽しんだり。思い出のたくさんあるまちや自然に囲まれ、親しい人たちが近くにいれば、不安になることも、寂しくなることもありません。
 夫や妻が亡くなってひとりきりになったお年寄りが、子どもの家族と暮らすため、住み慣れた場所を離れることもあります。その場合は、お年寄りの気持ちを十分に確認して、暮らし方や人との関係など、毎日の生活がどう変化するかを慎重に考えて決めることが必要になります。

「お年寄りのからだ」「お年寄りのこころ」「年をとってからの暮らしと環境」