自然条件を考えた住まいの工夫
 夏場、じんわり汗がにじんできたり、冬、手先足先がかじかんでくると、ついついエアコンのスイッチを入れてしまいがちです。でも、周囲の自然条件を考えて住まいを計画すると、冷房や暖房に頼らなくても、暑さ、寒さをしのぎやすい住まいをつくることができます。
 たとえば、太陽が通る位置は夏と冬とで違い、日射しの角度も大きい時では約50度の差があります。こうした特性を考えて、軒(のき)や庇(ひさし)を適度な長さにすると、夏は日射しを遮(さえぎ)り、冬は日射しを取り込むことができます。(日本の昔ながらの工夫も参考にしてください)
 それから、風が吹いてくる方向は、場所や時刻によって違います。室内にうまく風を取り入れられるように窓の向きや高さを工夫し、風の通り道をつくれば、夏場でもあまり冷房をつけなくてもしのぐことができるでしょう。
 さらに、植物を上手に利用することで環境にやさしい住まいをつくることができます。家のすぐ南側に落葉樹を植えると、夏は木陰ができますが、冬になると葉が落ちるので、家の中への日射しを遮りません。つまり室内への自然の日射調整になるのです。また最近では、屋根や屋上で緑を育てる技術も開発され、夏の室温上昇を抑える一つの方法として注目されています。
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「自然条件を考えた住まいの工夫」「新しい技術で省エネルギー」へ