まちなみ保存の大切さ
 日本には、古いまちなみが各地に残っています。当初まちなみを残す方法は、建物やその連なりをひとつの文化財として、そのままの形で保存していくものでした。しかし、現在は単なる文化財というだけではなく、その地域の個性ととらえ、新しいまちづくりの中心と考えるようになっています。
 つまり、まちや住まいは、人びとが生活する場なので、博物館の展示物のように飾っておくわけにはいきません。まちは、人びとが生活する場所として、時とともに変化することも大切なのです。しかし、変化に任せるだけでは、残すことはできません。そこで、本当に価値のあるものはなにかを考え、その部分は守る。その部分以外で、今の生活や活動の妨げになるものは直す。さらに新しいものでも、よいものは新たに付け加え、悪いものはつくらないという、4つのことが重要になってきます。
 まちの風景を含めた地域の文化は、そこに暮らす人びと共通の大切な宝ものです。ですからまちづくりは、古い建物に住んでいる人や、持っている人だけが考えたり決めるのではなく、その地域に暮らす人たち全員が、自分たちの問題として考えていくことが大切なのですね。

「まちの歴史をとおして時代を知る」「建物の形で時代を知る」「まちなみ保存の大切さ」