歴史的なまち並を守るルール<京都市姉小路あねやこうじ界隈>
 約1200年前に平安京の都がおかれた京都は、長年にわたって政治・文化の中心として栄えた都市です。現在でも昔の姿をしのばせる古い建物がたくさん残っていて、日本の代表的な観光地になっています。
 そんな京都の伝統的な風情を思わせるまちの一画に、高層のマンション建設の計画が持ち上がりました。突然の計画に、まちの雰囲気をこれからもずっと大切にしたいと思う人たちが集まり、近隣の住民を中心とした「姉小路界隈を考える会」を結成しました。そこでマンション建設業者に、京都のまちにふさわしい建物を建ててほしいと要望しました。それを受けて業者は、この計画を見直しました。建物の高さを、以前の計画より低くしたり、屋上にはマンションに住む人と近隣の人たちが一緒に使える屋上菜園を作るなど、時間をかけて地域住民と話し合いながら、マンションをつくりました。この活動をきっかけにして、「姉小路界隈を考える会」は、まち並を守るために、まちに建てられる建物の用途を限ったり、高さを制限するルールをつくりました。さらに、まちに似合う照明灯を設置したり、まち歩きのイベントを開催して、今では住民が積極的にまちづくりに関わるようになっています。
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