よい音をつくりだす環境
 音楽を演奏するために建てられたコンサートホールには、必ずクロークというコートや荷物を預けるところが備えてあります。これは、音楽を聞きにくるお客さんに対するサービスだけでなく、会場の音の響きに関係があるのです。つまり、たくさんのお客さんが着てくるコートをホールの中に入れてしまうと、コートが吸音してしまい、ほどよい音の響きがなくなってしまいます。それで、必ずコートなどの防寒着を預かる場所をつくっているのです。
 「よい音」というのは、ほどよく響くことが大事なポイントです。自宅で音楽を聞いたり、楽器を奏でるときも、なるべくよい音で聞きたいですね。まず、音を出したり、聞いたりする部屋は、畳やじゅうたん敷きの床より、板の間のように固い素材の方が響きがよくなります。それに、壁や天井も固いものの方が響きますので、窓のカーテンをあけ、壁にかかっている洋服も片付けましょう。さらに、部屋の中にあるソファやふとんなど、ふかふかとやわらかいものは、吸音してしまうので、なるべく他の部屋に移動させましょう。

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