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サステナブル住宅

快適で省エネルギーな住まいづくり

◆平成11年省エネルギー基準とは

住宅の省エネルギー基準は昭和55年に制定され、平成4年に第1回目の改正が行われ、平成11年に地球温暖化防止の観点からさらに第2回目の改正が行われました。この平成11年の省エネルギー基準は、現在省エネルギー基準の基礎となっているものです。(具体的には、改正後も若干の改正が行われ、現在最も新しい基準は、平成18年3月27日に告示されたものです。)
住宅の省エネルギー基準とは「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づき制定された「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準」及び「同設計及び施工の指針」という2本立てとなっています。
この基準のコンセプトの一つに「快適な室内環境で省エネルギーな住まいづくり」があり、そのためには、適切な断熱・気密が施され、暖冷房・換気設備も適切に計画・設置されることで、冬暖かく夏涼しい暮らしを少ないエネルギーで可能にすること」というのがあります。次に基準に基づいた家造りについて具体的な紹介をしたいと思います。


◆高断熱・高気密の住宅

日本は、四季の違いが明確で、冬の寒さや夏の暑さ、梅雨時の湿気など、住まい手にとっても家にとっても厳しい季節があります。
Q値(熱損失係数)とは
室内外の温度差が1℃の時の、家全体から1時間に床面積1平米あたりに逃げ出す熱量のことを指し、保温性能の目安となり、熱の逃げにくさを表している。住宅の断熱性能を数値的に表したもので、値が小さいほど断熱性能が高いことを表す。

高断熱・高気密(但し、具体的な基準値は設定されていません。)の住宅では、家全体の温度差が少なくなるため、不快感がなくなるだけでなく、冬にトイレや風呂が寒いということが少なくなりヒートショックなどによる事故も防げます。また冷暖房がよく効くため、光熱費が少なくて済みます。

 

最近では、住宅の広告などに「Q値」が表示されるケースが増えてきているようです。省エネルギー基準では断熱性能の指標としてこのQ値を使用していますが、Q値が小さい住宅は、断熱性が高い住宅といえます。

◆省エネルギー基準の地域区分

省エネルギー基準の地域区分
気候や自然環境は地域によって違うので、求められる省エネ性能も大きく違う。各地の温度データを利用してその場所の寒冷度合いを表す値・暖房度日(暖房デグリーデー)から決められたもの。
狭い日本でも、季節ごと地域ごとに気候や風土が全く違います。したがって、住む人が快適だと感じる環境を作り出すのに必要なエネルギー、つまり、住宅が持つべき省エネ性能も違ってきます。そこで省エネルギー基準では、基準となる省エネルギー性能を地域ごとにわけることにしています。この地域区分は、平成4年省エネルギー基準までは都道府県単位でしたが、同じ都道府県でも気候が大きく違う場合もあるため、全国842箇所の気象データに基づき、平成11年省エネ基準では市町村単位で区分するようになりました。

また、告示以降、市町村合併が盛んに行われていますが、区分及び管理は平成11年告示の区分のままとし、平成18年の告示の小改正でも、合併された市町村の表示を改正したのみとなっています。  


◆エネルギーバランスのいい家づくり

平成11年基準の検討では、「今の住宅の作り方を変えずに、省エネルギー性能をどこまで高められるか」ということをベースに、また断熱建材等の市場での流通を加味しながら、基準値を決定しています。つまり、平成11年省エネルギー基準の住宅は、未来の住宅ではなく、当時のトップクラスの住宅という位置づけでした。実現不可能な基準では、意味がないからです。
告示から数年経った最近では、住宅本体だけでなく省エネ機器などとセットにして、より省エネ性能が高い住宅づくりが進んでいます。断熱性能を上げることに加えて、高性能な冷暖房機器や給湯機器などを利用することで、全体的な家づくりが進んでいます。
住宅の省エネルギー対応は、消費されるエネルギーの総合的評価をすることが大切で、計算上のエネルギー性能が高くなればいいというものではないと思います。設備や建材をはじめ、現在市場に出回っている製品は、省エネ対応ではないもののほうが少なくなってきました。その家庭のライフスタイルとエネルギーの使用形態、効果的な設置方法など、躯体の性能だけでなく、全体のバランスや効率のよい使い方を考えながら作っていくことが、より性能の高い住宅につながると思います。

◆実際に人が住んでいる家を見せてもらうこと

消費者にとって住宅造りは、一生で一度といっていいほど、大きな高額な買い物です。失敗しない家造りのために、もし省エネルギー型の住宅も併せて検討するのであれば、是非カタログや説明だけでなく、実際に人が住んでいる家を見せてもらうことをおすすめします。
暖かい、涼しいなどの温熱環境は、自分の皮膚感覚で体感して判断するのが一番正確で納得できるのではないでしょうか。モデルハウスもいいですが、実際に住んでいる人の感想は生の感想ですし、実際に住んでいる家を見せてくれる人は、工務店との関係が良好だということの証でもあるのです。顧客に信頼されている工務店は良い工務店であり、良い家が作れるのではないでしょうか。また、建設現場を見るのもおすすめします。工法や技術のことは、素人とプロの違いはありますが、それでも少し勉強すれば、基礎・基本構造・仕上げくらいの善し悪しの判断は感覚であれ分かるようになってきます。その道のお知り合いの方に相談してもいいのかも知れません。確認しておいたほうがいいことだと思います。


◆使い方を工夫する

いくら性能の良い家を建てても、使い方によって必要なエネルギーはずいぶん変わってきます。
例えば、断熱性・気密性が行きとどき、大きな間取りで全体に空気循環できるように設計してあれば、例えば、踊り場にエアコンを一つ設置するだけで、家全体が快適な温度になる場合もあります。この方が8畳用のエアコンだから8畳間につける、という使い方をするよりもずっと省エネです。家自体の性能が高ければ、そういう使い方もできるということを是非知っておいていただきたいのです。
こういった設計や設置機器の工夫は、消費者の希望があってのものでしょう。しかし、消費者にそのような知識がないことも現実です。メーカーや工務店、設置機器や家電製品を扱う業者の方はもちろんですが、消費者の省エネ住宅への関心の高さや知識も非常に大事だということがわかります。
秋や春など過ごしやすい気候の頃は、窓を全開にして風通しよく過ごすことは大変気持ちのいいものです。ただやみくもに、「省エネ」「高断熱高気密」というのではなく、厳しい夏や冬をどうすれば快適に過ごせるのかきちんと考えられた住宅、ヒートショックに代表されるような高齢者への負担が少ない住宅、しかもエネルギー消費量が少ない住宅。そういう住宅が人にとっても地球にとっても良い住宅なのだと思います。