お城の大規模化
 初めのころにつくられた山城は、敵を追い返すのに都合がよいのですが、ふつうに生活するにはたいへん不便でした。その上、たくさんの家来を住まわせることはできませんでした。また、戦いに必要なものをつくったり、おさめたりする、職人や商人たちがいる場所も十分にはとれません。世の中が少しずつ落ち着いてくると、お城は不便な山から降りて、小高い丘の上や平地につくられるようになりました。
 安土・桃山時代になって国内が統一されると、大名にその地域の権力が集まるようになり、それまであちこちにつくられていた中小の城は、大名の城にまとまっていきました。そして、なん重にも堀や石垣を巡らせたり、家来の住まいなどもつくりました。そのためお城は、従来より数倍も広い土地を必要とし、たくさんの建物が建つ、より複雑で大きなものになっていきました。

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