「セーフコミュニティ」とまちづくり
 地域の行政を担当するリンシェーピン市では、「セーフコミュニティ」のはじまりで紹介した取り組みに加えて、人びとが病気や事故などによって生活が困らないように社会サービスを行っています。さらにこの社会サービスの考え方を取り入れたまちづくりを、市内のランボーホフ地区の住宅地計画で行いました。
 この計画では、一戸建て、集合住宅などといった住まいのかたちがまぜこぜになるようにしました。そして、職業、年齢など環境の違うさまざまな人たちが交流できる地域施設として、レクリエーションセンターを地域ごとにつくりました。レクリエーションセンターでは、サークル活動や地域の会合など、いろいろな活動が行われています。さらに、小さな子ども、お年寄り、障害のある人たちには、近所で必要な支援が行えるように、保育園やケア住宅をきめ細かく配置しました。こうした施設の置き方が、市の住宅地計画の考え方をよく表しています。
 また地域の中で、持ち家に住む人と賃貸住宅に住む人が孤立しないように、全体的に低い建物として中庭を囲むように建てました。そして、保育園の利用やレクリエーションセンターの運営や維持管理が、住宅地に住む人自身が行うことによって、地域の人たちそれぞれの交流が深められるようにしました。
 住民の活動とそれをサポートする仕組み、そし環境への配慮など、すべてをバランスよく計画することで、福祉のまちづくりが実現したのです。


「世界に広がる「セーフコミュニティ」」「「セーフコミュニティ」のはじまり」
「「セーフコミュニティ」とまちづくり」