よい敷地
 家相や風水は、方位や周りの状況を考えて「居心地のよい暮らし」ができる場所をつくるためのものなので、住まいが建つ敷地にもこだわりがあります。
 まずあげられるのが敷地の形で、地面が平らで、四角く整ったものがよいとされます。反対に悪いのは、三角形だったり、角が多かったり、凸凹が多いような形です。特に、鬼門(きもん・北東)の方向が出っ張った敷地は「大凶(だいきょう)」と、江戸時代の家相書には書かれています。実際に、住まいの北東側は建物の陰になってしまうことが多く、一日中日がささず、湿気などがたまりやすい場所です。また、南側の庭も広く取れるように、間口(道路に接する横幅)より奥行きの方にやや長い敷地がよいとされていました。
 さらに、そこに建てる住まいは、手前を低く、奥に行くに従って高く建てるとよい家相となります。敷地に傾斜のある場合は、東や南東、南側が少し低く、西や北西、北側が高いのはよいとされました。これは、日当たりがよいので、じめじめせず明るいというメリットがあるからだと考えられます。
 また、家が広いのに、住む人が少なすぎるのは「凶(きょう)」。小さい住まいに家族がたくさんにいるのは「吉」と、江戸時代の家相書に書かれています。昔も今も、少々狭くとも住み心地がよく、家族が多くてにぎやかに暮すことが幸せに通じるということなのでしょう。
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