親子だけの核家族
 戦後は「家父長制(かふちょうせい)」の仕組みがなくなり、一人ひとりの個人を尊重する社会を目指すことになります。そして、1950年代以降の高度経済成長のもとで、農漁業にたずさわる人が減り、製造業やサービス業の仕事が急増してきます。この変化は、人の働き方や家族のあり方も一変させました。これまでは家族みんなが協力して家計を支えていましたが、お父さんひとりが会社へ行って働き、その給料で家族みんなが生活するというかたちになったのです。そして、お母さんは家事や育児など、家の中の仕事に専念するようになりました。
 また、都会の会社に勤める男の人は、会社に通いやすい場所に移り住み、それぞれがひとつの家族をもったのです。こんな風にお父さんがサラリーマンとなって働く家族では、仕事を子に継がせる必要はなくなり、自然と子どもの数も減りました。このような1組の夫婦とまだ結婚していない子どもだけの家族を核家族と呼びます。
 戦後30年を経た1975年には、日本の人口が増えているにも関わらず、ひと家族あたりの人数は減っていき、核家族は全体の約6割に達しました。

「「ちょっと昔の大家族 」「親子だけの核家族 」「多様化する家族 」へ