住み心地のものさし
 家に大勢のお客さんが来ると、いつも居るところなのに、なんか居心地が違ってきます。お客さんはたまに来るから楽しいけれど、いつも家の中がこんな状態だったらたいへんです。その広さと暮らしている人の数、つまり密度によって生活のしやすさが変わってきます。
 日本では30年くらい前から、おじいさんやおばあさんと別に暮らす家族が増え、子どもの数が減って、一緒に暮らす家族の人数が少しずつ減っています。住まいの広さの全国平均は徐々に大きくなっていますので、全体としては住まいに余裕がでてきています。ところが、窮屈で暮らしにくい住まいが、まったくないわけではありません。では、みんなが健康で文化的な生活を送るためには、どんな住まいが必要なのでしょうか。建設省(現、国土交通省)は、1966年にその目安である居住水準(きょじゅうすいじゅん)をつくりました。密度はその中の大切な要素となっています。

イラスト:お客さんがいっぱいのLDの様子


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