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安心・安全のための住宅の法律・制度

建築士法の改正

 平成17年に発覚した構造計算書偽装問題で明らかになった課題を受けて、住宅取得者が安心して家を建てたり買ったりできるように、建築士法の一部改正が行われました。

建築士法の改正

 新しい建築士制度は、構造計算書偽装問題で明らかになった課題を解消し、建築士への信頼回復を目指しています。

○見直しその1「建築士のレベルアップ」

  • 建築士の3年ごとの定期講習の受講が義務づけられました。
  • 建築士試験の受験資格が見直されました。
  • 構造設計一級建築士、設備設計一級建築士という専門分野に対応した新しい資格者制度が設けられました。

 まずは、建築主が安心して家づくりをまかせられるように建築士全体のレベルアップを図る方法として、定期講習で新技術への対応や建築基準法及び建築士法等への対応等を習得します。
 また、高度な設計が必要な建築物については、高度な専門能力を持った建築士が設計または法適合確認することとしました。

○見直しその2「建築士事務所が行う設計業務の適正化」

  • 建築士が建築主に対し、契約前に重要事項を記した書面を交付して説明を行うことが義務付けられました。

 契約前に建築士が、施主に対して直接重要事項説明を行うことが義務づけられました。なお、契約後に、施主に対して契約内容を明らかにした書面を遅滞なく交付しなければなりません。このことにより、設計等の内容や履行条件が明確になり、事故トラブルを回避して施主が安心して設計等を依頼できるようになります。

○見直しその3「関係団体が建築士および建築士事務所の信頼回復をバックアップ」

  • 建築士会に加えて、建築士事務所協会が新たに建築士法に位置づけられます
  • 建築士会は建築士に対する研修等の業務を実施し、建築士事務所協会は建築主からの苦情の解決等の業務を実施します。

 建築士は個人の資格ですが、建築士事務所登録をした事務所に属していない建築士は、建築士としての業務を行うことはできません。また、建築士会、建築士事務所協会など関係団体は、建築士、建築士事務所に対する研修の実施など行います。

○見直しその4「報酬算定の目安となる基準を設定」

  • 適切な設計及び工事監理には適切な報酬が必要です。建築物の種類、規模等に応じて見直しを行った業務報酬基準が策定されました。


 30年近く見直しが行われていなかった業務報酬基準の見直しを行いました。
 業務報酬基準には金額が明記されているわけではなく、業務についての標準的な人工が明記されています。例えば、100平米の木造住宅を設計する場合は、建築士がどんな内容で何時間働くのか・・・といったことです。各事務所はその業務報酬基準に単価を掛けていくことで、人件費を算出します。

安心・安全な住宅のポイント「工事監理」

 建築士の業務には「設計」以外に「工事監理」があります。
 施工現場には「現場監督」がいますが、この人は現場の「管理」をしている施工側の立場にある人です。これに対し、建築主側の立場となって工事が設計図書の通りに施工されているかをチェックしていくのが「工事監理者」です。
 よって、「工事監理者」を建築主が自ら決めることは、良い住宅を建てる大きなポイントの一つとなります。
 一般的には、施工業者が工事監理も兼任する場合が多いようですが、第三者的な立場の目でチェックした方が厳しいチェックが可能になります。施工と施工監理を同じ事業者に頼むよりもお金はかかってしまうかもしれませんが、最終的には良い買い物ができるのではないでしょうか。
 必要なところには必要なお金を払うことも大事なことなのです。

より専門的な資格「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」

 「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」はより高度な専門能力を有した、新しい資格者制度です。
 一定規模以上の建築物の構造設計は、「構造設計一級建築士」が設計を行うか、適合性の確認をしなければなりません。同様に、一定規模以上の建築物の設備設計は、「設備設計一級建築士」が設計を行うか、法適合性の確認をしなければなりません。
 これは新しい資格者制度であるため、設計事務所の駆け込み寺的存在として、各都道府県の建築士事務所協会に建築設計サポートセンターを設けました。サポートセンターには、資格者名簿なども置いてあり、一般消費者の相談窓口としても機能します。

建築士との付き合い方

 改正建築士法では、建築士に、品位を保持し、法や実務に精通して建物の質向上に寄与するよう業務を行うことを義務づけています。しかし専門家の努力だけでは本当に良い住宅はできません。消費者側も「家を建てるということ」について勉強したうえで、建築士から重要事項説明を受けたり、報酬が適正金額になっているかを判断したりすることが、非常に大切になってきます。
 しかし一方で、一般の人が建築士事務所の門戸をたたくというのは敷居が高く、住宅を購入する人の多くは、設計事務所ではなく、住宅展示場に足を運びます。専門家は、そういった場所に積極的に出ていくことも大切でしょう。
 そして、少しずつでも門戸を広げ専門家と消費者の情報格差を埋めることが、安心・安全な家づくりにつながっていきます。

国土交通省住宅局では、建築基準法及び建築士法に関して、広く意見を募集しています。
「建築基準法及び建築士法に関する意見箱」